なんにも持ってないぼっちの女がスペインに行く話。

仕事もなし、金もなし、若さもなし、恋人もなし。なんにも持ってない女が何かをしようとしています。

2度目のビザ申請【スペイン大使館へ行ってきたよ】

 

行ってきました。

郵送対応してくれないんだと愚痴を言っても、航空券のセレブ価格にノックアウトされても、申請書をとにかく出さないと始まりません。

予想外の出費が相次ぎ、内心は穏やかではいられませんが、弱味を見せてはなりません(誰に?)。

こんなもの屁でもないわという顔をして行くことにしますよ。

 

全行程2日。

1日目は到着時間をあえて遅い時間にし、羽田空港に着いたらもうそれで終わりです。そのまま空港に泊まります。

ここで絶対罹患するわけにはいかないので、ずっとマスク、寝てる間もマスクです。息苦しーい。ちなみに飲食以外で一度もマスクを外さず二日経ったら、一瞬で吹き出物が2個出来上がっていました。蒸れのせい?

 

あ、そういえば。

飛行機、風通しが良かったです。

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▲ がら~ん。

 

CAさんたちはマスクも当然ながら、使い捨てのポリエチレンの手袋を付けて、お仕事していらっしゃいました。

手袋ごしだとシャカシャカして、思うように作業できないだろうなあ……本当にご苦労さまです。何も期待していませんでしたが、飲み物が出たのは意外でした。いくつか選択肢があって、え、いいの?と思いながら、私はコーヒーを希望。パックのかなと思ってたら、普通に紙コップで提供されました。

 

2日目は、通勤ラッシュで密状態になる前に電車系は切り抜けようと思っていたので、6時にはプラットフォームに立っている勢いで行動を開始したのですが、

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▲ 時間帯が時間帯なので、さすがにここもがら~ん。

 

電車が駅に着くごとに、あっという間に面積を埋めていく人人人……東京の人は何時から仕事始めるつもりなんでしょう。まだ6時台やで。何時に起きてんの。やめてこっち来ないで。なんとかおしくらまんじゅうになる前に切り抜けられました。

 

一年前の記憶を頼りに、スペイン大使館へ向かいます。徒歩で30分超てくてく。

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▲ こんな近くにあるのですね。

 

スペイン大使館の斜め向かいにはスウェーデン大使館があって、これがスペイン大使館と雲泥の差くらいオシャレ建物なんですけど、そのオシャレさが私の撮影力ではイマイチ伝わらないですねっていう、

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▲ 半円の建物なんです。

 

ステキ大使館を横目で見ながら、冴えない本命(すみません)へ向かいます。

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▲ おひさしぶりです。因縁の再会。


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▲ 大正時代の洋館みたいな門構えだけは好きです。

 

6時前には行動を開始しているので当たり前なんですが、

7時半前に着きました(やり過ぎ)。

開館は9時半。2時間か!待とうではないか!!

 

当然ながら私が一番なので、一番で受け付けてもらえました。

何度も何度も確認したはずの書類を差し出します。一枚ずつキッチリとチェックしていく係の人…………あれ、この人の声、つい何日か前に私が電話して郵送対応してもらえないか打診した時に、無下なく断ったあの人じゃない?おまえか!!おまえかこのやろう!!!…………!!!

……………………!!!!

 

ここで何かが足りないとなったら、もう目も当てられません。係の人の「んん〜??」とか「ふむゥ〜……」が恐怖でしかありません。わざとじゃないだろうNA!?

抜けはないはずなの。お願い、OKだと言って。

 

満足いくまで「ふむゥ〜……」をやってもらって、晴れて!!

OKが!!

出ましたーッ!!

 

「ハイじゃあ6月18日から受け取れるからまた来てね」

 

早ァ――!!

申請したその日に出来上がる日が分かるなんて!クリーニング屋か!!

飛行機の予約取りやすくて助かりますけどね!ありがとうございます!!

 

 かくして申請は無事終わり、私はとんぼ返りで空港へ引き返したのでした。

 

申請にかかった時間、10分。

この10分の為に前日入りまでする必要があるのかと思われるかもですが、スペイン大使館は受付が午前3時間、午後1時間しか開かないのです。

一日ずっと空いてるなら、朝一番の飛行機に乗って、手続きを済ませて夕方に戻るということもできるのですが、この受付時間をピンポイントで狙わなければならないため、こんな面倒な感じに。

 

なにはともあれまずは申請をクリア。

罹患していないことを願うばかりです。

 

何も言えなくなった【健康診断書】

ビザ申請に必要な書類として、健康診断書を取らなければなりません。

これは渡航先によって違うようで、別に要らないところもあります。スペインの長期ビザの申請には、必須でした。

 

どこの病院でも受け付けてくれるわけではないようなので、探す必要があります。

ネットで『海外 診断書 〇〇市』とかで探すと見つけられたりします。

 

私が今住んでいる市内で、コレ系のものを受け付けているのは一軒だけのようで、まずは予約の電話を入れました。

 

概要を話して、健康診断書を出してもらえるか聞いたところ、問題ないとのことで日を決めて予約を取りました。

そのとき、『3,000円必要となりますのでご準備ください』と言われました。

 

前回のときは(結局渡航叶わずでしたが)、別の県に住んでいたので当然今回とは病院が違うのですが、2,500円くらいでした。なのでこのくらいの差は想定の範囲内だと思っていました。

 

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▲ 前回の。しめて 2,420円。

 

予約日当日。

診断書を出してもらうと言っても、身長体重血液検査、とかそういうのはありません。問診のみです。『過去に大きな病気をしているかい?』とか『重大な精神疾患があるかい?』みたいなことをフンワリ聞かれます。特に何もなければ終わりです。私は30秒くらいで終了。

 

今すぐ出せるから待合室で待っているようにと言われ、即時発行か有難いな、と思っていたら。

 

受付の女性 : 『それでははにゃさん、今回のお会計9,000円です』

はにゃ : 『…………、えっ』

受付 : 『9,000円です』

 

なんですかそれ。

 

最初に言っていた3,000円からなぜいきなり3倍になっているのか訳が分からず、よく見れば。


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 ▲ 英文診断書料?? 英文の値段!?


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▲ 英文?これは英文?

 

ほぼほぼモザイクかけてて見えずに申し訳ないですが、ここに書かれているのは、私の名前と生年月日、病院の名前と院長の名前。それぐらいです。英語……?というより、ローマ字です。

 

これ英文なの?

最初に言ってることと違う。

こちらの目的は最初の時点で伝えていたので、値段は分かっていたはずですよね?

 

色々な言葉と感情が一瞬のうちに脳内を巡って、口を開きかけては閉じ、また開いては閉じを繰り返して、

すべッ……、て、を、飲みッッ……ッ込んで、

準備していた3,000円ではなく、別の用事のために準備していた一万円札を黙って出したのでした。

 

言いたいことはホントに色々あったけれど、ここで私が何をゴネても、言われた値段を払わなければ診断書は手に入らないと分かっていたので、そうしました。

 

でも内心は全然穏やかではなく、嵐のようにグルグルと渦巻く感情をどうにかまとめながら、どこかに向かって叫びたいのを抑えて、

 

抑えて、

 

抑えて、

 

病院を後にしたのでした。

 

 

時給どころか分給で一万近くを稼ぎだすとは、医者とはすごい商売です。

あ、嫌味です。

 

さすが運に見放されただけのことはある【さらなる試練(?)】

あれほど待ちに待った。

入学許可書。

 

やっと来ました……(感無量)

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▲ ようこそ!長旅お疲れさんでした!

 

これでビザ申請に臨めます。

しかしここは不運な星の元に生まれたのことですから、安心してはいけません。

絶対綺麗には物事は運ばないのです。

 

東京行きのチケットを取らなきゃ、の前に、もう一度だけスペイン大使館へ電話して、郵送対応してもらえないかと交渉してみました。

 

無下なく断られました。

 

『そんなに東京来るの渋るんなら、渡航止めれば?(意訳)

と言われ、ですよねーと切電。

分かってはいたことなので、別に泣くほどショックを受けるとかいうのはありませんが、やはりお役所はお役所だなあと。状況に柔軟に対応してもらえるなんてことは、期待してはいけませんね。

 

そうなったら大急ぎで飛行機のチケットを取らなければなりません。

日が近すぎてもう。格安航空券だって格安になんかならないんだぜ的な勢いのセレブなお値段を無表情で予約(嘆きを通り越すと誰しもこういう顔になるはずである)。

一応チケットは取れたけど、これホントに飛ぶのか。

 

やっと取れたと思ったら、家族からひとこと。

『東京から戻ったら、1週間は家に入らないで』

……………………はい。

 

私がスペインに行くことを良く思っていない家族は、まあ、容赦ないわけです。自主隔離せよというわけですが、その期間が『1週間』なのがせめてもの優しさでしょうか。

 

そんなわけでカプセルホテルとかをいま必死で探しているのですが、カプセルホテルって意外に高い!!今まで利用したことが無くて、今回初めて調べてみたのですが、気軽に利用できる安宿というイメージだったのが全然違いました。

どうしたらいいやろ……

 

今回の『申請』、と、もう一回『受取』と、計2回東京には行くことになるのですが、その後の自主隔離も含め、ホントに出費の面ではキッツイ!!

でもそれを口に出すと、『なら行かなきゃいい』と返ってくるのが予想されるので、自分の意地にかけて黙っています!ぐぬぬ……